岩盤力学関連事例研究小委員会 (第二期)


 昨今,岩盤力学による考え方を用い,技術の総力をあげて取り組むプロジェクトが少なくなってきたと言われている.その一方で「中央新幹線」の建設や「国際リニアコライダー」の我が国への誘致のように,岩盤力学をベースとした高度な技術の適用が不可欠な事例の検討も進みつつある.また,供用中の岩盤構造物に関する事故や災害といったように,過去に建造された構造物において,社会的に影響を及ぼす事象が発生している例も見受けられるなど,岩盤力学に対する社会のニーズは現在も十分に高い.
 しかしながら,近年は技術者の高齢化や,若年技術者の不足等の要因により技術の伝承が難しくなってきているとも評されている.岩盤力学の分野に関しても例外ではなく,これまでに培った技術・知識を維持していくことはもとより,過去に得られた知見の具体的な活用も含めて,さらに発展させていくことは喫緊の課題である.
 岩盤力学の知識が活用できる代表的な手法の例として以下の4つがあると考えられる.これらの体系化を図るとともに適用性を検証し,さらに応用技術として醸成していくことによって,適切な社会基盤の整備や運用へとつながる可能性がある.
① リスクの高い事象の発生を事前に予測・判断する手法
② 対象とする構造の挙動を経済的に的確に把握する手法
③ 予期せぬ事象の発生後に合理的な対応を決定する手法
④ 目的とする構造に対して適切にメンテナンスを行う手法
 本小委員会の設立の目的は,岩盤力学の知識を活用する必要がある社会や会員に対し,主に各組織の中堅の技術者・研究者によって,これまでの岩盤力学に基づく情報の発信が可能となる体制を整え,かつ,実際に発信していくことにある.具体的には,技術者等の意思疎通を通じて,主に上記の手法に関する事例を念頭に置いた文献・情報の収集,および分析等を実施し,初級から中級への橋渡しとなる岩盤力学の知見としてとりまとめるための活動を行うものである.

委員公募

 公募は終了しました。

活動状況

 令和元年度
 ・5月:   委員公募
 ・6月:   メンバー選考
 ・7月:   第1回の小委員会
         以降、2~3か月に1回のペースで開催

トピック

 
・1月22日 広島高速5号線トンネル現場を見学しました

委員名簿(第二期)

会務 氏名 所属
委員長 砂金 伸治 首都大学東京
副委員長 寺戸 秀和 施工技術総合研究所
委員 青木 研一郎 東京電力ホールディングス(株)
委員 淡路 動太 清水建設(株)
委員 市川 晃央 (株)竹中土木
委員 伊藤 喜広 東電設計(株)
委員 今泉 暁音 福岡大学
委員 遠藤 皓介 東日本高速道路(株)
委員 大江 和正 八千代エンジニアリング(株)
委員 岡部 正 (株)ケー・エフ・シー
委員 小川 浩司 応用地質(株)
委員 勝又 尚貴 原子力発電環境整備機構
委員 河田 皓介 オリエンタルコンサルタンツ(株)
委員兼幹事 木谷 努 パシフィックコンサルタンツ(株)
委員 小林 武史 東日本旅客鉄道(株)
委員 坂井 一雄 大成建設(株)
委員 佐々木 亨 土木研究所
委員 土田 隆史 飛島建設(株)
委員 原 翔平 ダイヤコンサルタント(株)
委員 藤岡 大輔 (株)大林組
委員 法橋 亮 戸田建設(株)
委員 村上 浩次 鹿島建設(株)
委員 森山 哲朗 サンコーコンサルタント(株)
委員 安原 英明 愛媛大学大学院
委員 渡辺 和之 鉄道建設・運輸施設整備支援機構
オブザーバー 森岡 宏之 東京電力ホールディングス(株)