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 土木学会 岩盤力学委員会 ニュースレター [No.2 2004.2.6]
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1. 委員長挨拶

 1990年代から現在に至るまで,日本経済の不調が言われて久しい。一方で,世界第二位のトヨタを筆頭とする自動車産業は我が世の春を謳歌している(トヨタ関連の企業の方々からは,血の滲む努力をした結果だと叱られそうであるが)。翻ると,学生の就職人気企業は,1980年代には理系も含めて商社・銀行であり,1970年代は「鉄」,その前は「石炭」の時代であった。いずれもその時代の花形産業である。栄枯盛衰は激しい。学生は就職時に全盛の企業に目を奪われ勝ちであるが,自らの能力を最も発揮できる壮年期にその企業・産業が強い活動力を維持しているとは限らない。三十数年の人生を何に賭けるのか,重い選択を二十代の初めに迫られる。

建設産業もまた,激しい時代の起伏を経てきた。「岩盤工学」は荒波の影響を強く受けている。存亡の危機にあると言って過言でない。しかしながら,"危機"は再生への契機でもある。産業再生とは,組織化された個人の再生に他ならない。若い世代を巻き込んだ「岩盤工学」の再生に各人が取り組むときである。

                                 企画小委員会委員長 市川康明
 


2. トピックス 

 今回のトピックスは下記の2件を紹介します。本文をpdfファイルでご覧ください。

以下はその概要です。

1)「第2 回東南アジア岩盤工学ジョイントワークショップに参加して」 Click!
                  京都大学大学院工学研究科 大津宏康   
            
(概要)
 この度,タイ・ベトナムの2ヶ国において,第2 回東南アジア岩盤工学ワークショップを開催しました。同ワークショップは,岩の力学連合会および,京都大学工学研究科3 専攻(社会基盤工学専攻・都市社会工学専攻・都市環境工学専攻)共催によるもので,具体的には以下のような2つのワークショップとして開催しました。


(a)タイ
名 称:EIT(Engineering Institute of Thailand;タイ王立工学会)
     −JAPAN−AIT(Asian Institute of Technology;アジア工科大学)
     Joint Workshop on Modern Computer Methods Modern Technology on

     Computer in Rock Engineering
日 時:平成15 年11 月17 日〜11 月18 日
場 所: Winsor Suite Hotel(Bangkok, Thailand)

(b)ベトナム
名 称:NCST(National Centre for Natural Science and Technology
     ;ベトナム国家自然科学センター)
     −Japan Joint Workshop on Rock Engineering
日 時:平成15 年11 月21 日〜11 月22 日
場 所:ベトナム国家自然科学センターNCST(Hanoi, Vietnam)

 なお,当ワークショップは,昨年度京都大学大学院岩盤工学グループを中心として,東南アジア地区と日本との岩盤工学に関する技術交流を深めることを目的として始めたものです。昨年度のワークショップは既報の通り,当初の目的を超えるレベルでの成功裏に終わりましたが,その内容については既報の資料1)をご参照下さい。
 当ワークショップの運営に関するタイおよびベトナムのカウンターパートは,昨年度と同様にそれぞれアジア工科大学院AIT(Asian Institute of Technology)土木工学科SCE(School of Civil Engineering)および,ベトナム国家自然科学センターNCST(Vietnam National Centre for Natural Science and Technology)の地球物理部門IOG(Institute of Geophysics)に依頼いたしました。
 今回の報告では,第2 回東南アジア岩盤工学ワークショップについて紹介することに加えて,筆者がこれまでに示してきたインドシナ半島における岩盤工学の発展状況を併せて示します。また,最後に今後のインドシナ半島における岩盤工学に関連する建設プロジェクトの将来的な動向についても示したいと思います(以下、本文をpdfファイルでご覧ください)。

2)「高レベル放射性廃棄物地層処分技術に関する研究開発のための深地層の

  研究施設」                                       Click!
                      佐藤稔紀*・白戸伸明**
     *:核燃料サイクル開発機構東濃地科学センター瑞浪超深地層研究所
    **:核燃料サイクル開発機構幌延深地層研究センター

(概要)
 核燃料サイクル開発機構では,岐阜県瑞浪市と北海道幌延町において,深地層の研究施設の建設をともなう研究開発のプロジェクトを進めています。本プロジェクトは,高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発の一環として実施しているものであり,深部地質環境の調査・解析・評価技術および深地層における工学技術の基盤の整備を目的としています。約20 年間にわたり,地表からの調査予測研究段階(第1 段階),研究坑道の掘削を伴う研究段階(第2 段階)および研究坑道を利用する研究段階(第3 段階)の3つの段階で進めることとしており,現在は,第1 段階と第2 段階が重複する時期を迎えています。

 平成15 年7 月には,瑞浪では立坑坑口の工事を,幌延では敷地の造成工事を開始しました。本計画は,第2 次取りまとめで示した地層処分の技術的信頼性を実際の深部地質環境(結晶質岩系(瑞浪)および堆積岩系(幌延))に適用することにより確認することを目的とするものであり,地層処分において想定される深度や,地層の力学的な特性による施工性や坑道維持の観点などを考慮して,瑞浪では深度1,000m,幌延では深度500m 程度の坑道を掘削する予定です(以下、本文をpdfファイルでご覧ください)。


3. 「岩盤工学を語る会」の開催報告

                      (株)大林組東京本社土木技術本部 武内邦文 Click!

 昨今の成熟した社会の到来によるニーズの変化や現場の減少等々、岩盤力学を取り巻く環境が大きく変化しつつある現状を鑑み、今後の岩盤力学委員会の活動方向について自由な討議の場を提供するため,岩盤力学委員会企画小委員会の活動の一環として「岩盤工学を語る会」を下記のとおり開催しました。今回は地下空洞を主体にテーマを選択し,幅広い現場ニーズを把握することにより,委員会活動に反映するための第一歩とすることを目標としました。

 今回の討議では,基準・指針化の重要性、過去の蓄積してきた経験を書物等として残すことの必要性、海外でのビジネス展開も視野に入れた情報インフラ整備等の重要性が共通認識として挙げられました(主な討議の内容については,pdfファイルをご覧ください)。

開催日時:平成15年12月9日(火) 14時〜17時
場  所:土木学会 E会議室
出 席 者:大西委員長、西脇副委員長、清水幹事長、市川小委員長、他21名
議  題:1.神流川発電所建設概要、地下空洞建設等(前島俊雄氏,石油公団)
      2.小丸川発電所建設概要、地下空洞建設等(鶴田正治氏,九州電力)
      3.京極発電所建設概要、地下空洞設計等(鈴木一巳氏、小山俊氏,
        北海道電力)
      4.今後の岩盤力学委員会活動について(全員)

 

4. 書籍・論文の紹介

 今回から岩盤工学に関わる分野別の最近の教科書発行状況,書籍・論文の紹介を目的として「書籍・論文の紹介」を設けることとしました。今回は,以下の書評を紹介します。

1)  「死都日本」 石黒耀著 Click!
             鉄道総合技術研究所環境防災技術開発推進部 太田岳洋
書評(抜粋)
 このニュースレターをお読みの多く方は,岩盤工学を専門とされている技術者であると思います。岩盤斜面や地下空洞の崩壊などについてのリスク評価を行っている方も多数居られることと思います。さて,岩盤工学とは少し離れてしまいますが,近い分野として地震災害や火山噴火災害に関する分野があります。みなさんは,この地震災害と火山噴火災害のどちらに恐怖を感じられるでしょう?地震災害により大きな恐怖を感じられる方が多いのではないでしょうか。私は火山噴火災害がとても怖い(火山地質を専攻したためかもしれませんが)。この違いは,私たち人間(特に日本人)は火山噴火よりも地震の経験が圧倒的に多いため,火山噴火災害の本質を知らないことが大きな原因と思われます。

 この「死都日本」には,火山噴火災害の恐ろしさが非常に適切に描かれています。噴火が発生するまでの前兆現象の推移,水蒸気爆発から大規模な噴火への移行,そして主人公を襲う大規模火砕流の発生から移動・堆積現象のすべてが,科学的にほぼ正しく記載されており(時間的展開が速すぎるのは小説なので仕方のないところでしょうが),火山の大規模噴火を擬似的に体験させてくれます(
これ以降はpdfファイルでご覧ください)。
 


5. 会議予定
 

国内の会議
 1)会議名: 3rd ARMS 2004 (Asian Rock Mechanics Symposium)
  日時: 2004年11月30日(火)〜12月2日(木)
  場所:京都市・京都国際会議場
  リンク:http://lakers.kuciv.kyoto-u.ac.jp/~arms2004/

海外の会議
 1)会議名:World Tunneling Congress and 30th ITA General Assembly
  日時:22-27 May 2004
  場所:Singapore
  リンク:http://www.ita2004.com/

 


6. その他
 

・本ニュースレターに対し,トピックスの一般投稿及び研究紹介,岩盤力学に係わる読者からのニュース,読者の声などを募集いたしますので奮ってお寄せください。ご連絡は下記のニュースレター編集担当までお願いいたします。

・次回の第3号から,本ニュースレター及びHPで土木学会法人会員による紹介(法人会員の企業概要や岩盤工学等の分野で得意とする技術情報等)のため「法人会員のページ」を設けたいと考えています。ご連絡は下記のニュースレター編集担当までお願いいたします。

・現在,企画小委員会では各研究小委員会等の協力を得ながら岩盤力学委員会ホームページ(HP)の充実を図り積極的な各種情報発信に努めています。HP更新に伴い,各委員会の活動状況,終了した研究小委員会の報告書や国内外の会議予定等も掲載しましたのでご覧ください。
リンク:http://www.jsce.or.jp/committee/rm/iinkai_index.html

・ニュースレターのバックナンバーは岩盤力学委員会ホームページをご覧下さ
い。
リンク:http://www.jsce.or.jp/committee/rm/news.html

【第3号の予定】
・トピックス
1)「メタンハイドレート開発研究の最前線」
           :渡辺俊樹氏(名古屋大学大学院環境学研究科)
・書籍・論文の紹介
1)最近の教科書紹介「発破関係」
2)報告書紹介 「Opalinus Clay Project」 スイスNAGRA著
        など
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ニュースレター編集担当: 高橋 美昭(岩盤力学委員会企画小委員会幹事)
gijutsubu@numo.or.jp
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【編集後記】
・ニュースレター第2号を発行できましたことについて,執筆くださいました関係者のご協力に心から感謝します。
・今回,「書籍・論文の紹介」を新たに設けましたが,次回以降もさらに情報・話題を充実していきたいと思います。
・今後,このニュースレターが岩盤工学に携わる技術者の方々に広くご覧頂けるよう努めていきたいと思います。

・今回から,岩の力学連合会のRockNetを利用して配信しています。

 

*:岩の力学連合会 平成14年度「将来構想検討特別委員会」最終報告 参照
 

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