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 土木学会 岩盤力学委員会 ニュースレター [No.3 2004.4.22]        印刷用pdf
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[巻頭言]

「未知への挑戦」

 時代に香りの漂うことがある。閉塞状況に陥っていた90年代は,差詰め,暗闇の中に匂いを封じ込めていた感がある。経済が社会の下部構造であるとはよく言ったもので,この時代に明るい話題が多くなかったと記憶している。日本経済に蠢動が見られる今は,早春を告げる梅の香りであろうか。時代を嗅ぎ分け,未来を切り拓くのは,若者の責務である。

 技術者は往々にして保守的である。現代の若い世代が,また,保守的傾向に陥っている。前の世代の成功体験が惹き起した一面であろう。日本が逼塞していた十数年の間に,世界の政治・経 済は地殻変動を起こしている。「歴史に学べ」とは,単に表面的に似た事象を比較し結論することではない。事象の根本に横たわる原理を見極め,その原理を未来に適用することである。

 岩盤力学は,根源を追求する努力を怠ってきたのではないだろうか?時代の「節」で,気懸りである。

 

企画小委員会委員長 市川康明


1. トピックス 

 今回のトピックスは下記の1件を紹介します。以下はその概要です。

本文をpdfファイルでご覧ください。

1)「メタンハイドレート開発研究の最前線」 Click!

名古屋大学環境学研究科附属地震火山・防災研究センター 渡辺俊樹

            
(概要)
 メタンハイドレート(Methane Hydrate)とは水分子の立体網状構造中の空隙にメタンが取り込まれた構造をとる包接化合物の一種である。外見は白いゼリー,あるいは湿った雪のような氷状の固体であるが,着火すると燃焼することから「燃える氷」として知られるものである。メタンハイドレートは世界中の海底や極地域に存在し,21世紀の「環境に優しい」燃料としての莫大な量の天然ガスを供給する大きな可能性を秘めていることから,現在我が国を始め国際的に研究が取り組まれている。
 メタンハイドレート研究は多岐に渡っている。材料としての物理的化学的性質に着目した研究,成因や分布,海底崩壊との関連などを解き明かすための海洋科学や地球科学,地球温暖化と関連した環境問題からの研究,そして資源としてのハイドレート研究などである。筆者はメタンハイドレートの専門家ではないのでそれぞれの詳細は参考文献や関連情報を参照いただくとして,本ニュースレターではカナダ・マッケンジーデルタでの国際共同研究プロジェクトと昨年12月に行われた国際会議の報告を中心に我が国のメタンハイドレート開発戦略もあわせ,ハイドレート開発研究の最前線について紹介したい。 (以下、本文をpdfファイルでご覧ください


 

2.書籍の紹介


 核燃料サイクル開発機構では,岐阜県瑞浪市と北海道幌延町において,深地層の研究施設の建設をともなう研究開発のプロジェクトを進めています。本プロジェクトは,高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発の一環として実施しているものであり,深部地質環境の調査・解析・評価技術および深地層における工学技術の基盤の整備を目的としています。約20 年間にわたり,地表からの調査予測研究段階(第1 段階),研究坑道の掘削を伴う研究段階(第2 段階)および研究坑道を利用する研究段階(第3 段階)の3つの段階で進めることとしており,現在は,第1 段階と第2 段階が重複する時期を迎えています。
 

1)「発破技術関係の書籍」 Click!

            大成建設(株)技術センター 青木智幸


 発破技術関係の参考書籍に関し,比較的新しい内容のものとして1996年以降発行の書籍を調べた結果,火薬学会より内容の充実した書籍が発行されていることが分かった。また,京都大学佐々教授により教科書が発行されている。私見ではあるが,現場の第一線で発破技術を活用している技術者にとって,「現場技術者のための発破工学ハンドブック」は,最新の発破理論と火薬材料およびその応用技術を包括した有益の書である。基礎理論から,最新の発破工法,大型プロジェクトにおける適用例,安全対策と環境対策,保安と関連法案など,必要な情報が満載されている。 (これ以降はpdfでご覧ください)。

2)「Opalinus Clay Project」(スイスNAGRA著) Click!

            (株)大林組東京本社土木技術本部 武内邦文


 21世紀も引き続き基幹エネルギーとして期待される原子力エネルギーの平和利用を推進するためには,バックエンド,特に,放射性廃棄物の適切な処理・処分方策が重要な課題であり,現在,世界中で高レベル放射性廃棄物等の処分技術の研究開発が鋭意推進されています。スイスは,わが国と同じように,アルプス造山運動等,相対的に地殻変動等のテクトニック活動が活発であり,また,環境等に対する国民の関心が高いことから,スイスの放射性廃棄物管理の実施主体であるNAGRAを中心に長年その関連プロジェクトが推進されてきました。
 「Opalinus Clay Project」は,原子力発電から生じる使用済燃料,高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体),および長寿命中レベル放射性廃棄物の処分の実現可能性を実証するためのプロジェクトで,その概要は,工学検討プロジェクト(NTB 02-02),サイト調査統合プロジェクト(NTB 02-03),安全評価プロジェクト(NTB 02-05)という3つの報告書にまとめられています。このプロジェクトは, Opalinus Clayというスイス北部に広く分布する頁岩(泥岩)中に上記の廃棄物すべてを処分するもので,1985年のProject Gewährに対する要件を満足するとともに,スイスにおける処分実証の最終ステップに位置付けられ,今後の戦略を議論しているスイス連邦カウンシルの審議に資するものとなっています。 (これ以降はpdfでご覧ください)。


3.会議予定

 

国内の会議
 1)会議名: 3rd ARMS 2004 (Asian Rock Mechanics Symposium)
  日時: 2004年11月30日(火)〜12月2日(木)
  場所:京都市・京都国際会議場
  リンク:http://lakers.kuciv.kyoto-u.ac.jp/~arms2004/

 2)会議名: 第34回岩盤力学に関するシンポジウム
  日時:2005年1月6日(木),7日(金)
  場所:土木学会「土木会館」二階講堂,会議室
  リンク:http://www.jsce.or.jp/committee/rm/index.html

海外の会議
 1)会議名:World Tunneling Congress and 30th ITA General Assembly
  日時:22-27 May 2004
  場所:Singapore
  リンク:http://www.ita2004.com/

 2)会議名:20th World Mining Congress(第20回世界鉱業会議)
  日時:7-11 Nov. 2005
  場所:Teheran(Iran)
  リンク:http://www.20wmce2005.com

 3)会議名:6th International Symposium on Rockburst and Seismicity in Mines
  日時:9-11 March 2005
  場所:Perth(Australia)
  リンク:http://www.ritsumei.ac.jp/se/~ogasawar/RaSim6.pdf
      http://www.acg.uwa.edu.au/pdf_files/RaSiM6.pdf



4.岩盤力学委員会特別小委員会発足のお知らせ

 昨今の成熟した社会の到来により,岩盤工学へのニーズの変化・大規模プロジェクトの減少等岩盤工学を取り巻く環境は大きく変化してきています。この様な情勢の中,岩盤力学委員会では,社会・学会員に貢献する観点から,フィールドの技術者に視点を置いた活性化策を検討していく必要があると認識しており,委員会活動の活性化策について討議を行い,フィールドの技術者に役に立つようなアクションプランを提言する下記の特別小委員会を設置しました。本会では,フィールドの技術者,産学官の研究者等による対話の場を設けて,フィールドで意思決定を行う技術者が遭遇した課題を明確にする等,自由な討議を実施し,幅広い技術者からの岩盤力学委員会の今後の活発な活動方向への意見を収集・分析し,アクションプランの提言を行う予定ですので,皆様のご協力の程お願い申し上げます。

 

1. 委員会名称:岩盤力学委員会活性化に関する特別小委員会
          委員長:西脇芳文(東電設計株式会社)
2. 活動期間 :2004年4月から2005年5月末まで
3. 委員構成 :土木学会岩盤力学委員会のホームページを参照下さい。
  また,委員の公募も実施しております。


5.第3回東南アジア岩盤工学ワークショップ開催(案)のお知らせ

京都大学大学院工学研究科 都市社会工学専攻 大津宏康

 平成14 年度よりこれまでに2 回,京都大学大学院岩盤工学グループが中心となり,タイ・ベトナムの2ヶ国の岩盤工学グループとのジョイントワークショップを開催して参りました.このジョイントワークショップを開催しました結果として,2 ヶ国の岩盤工学グループとの交流が深められると共に,その関係が徐々に成熟しつつあることは,岩の力学ニュース等に既報の通りです.

 これまでの2 回の実績を踏まえ,岩盤工学分野での日本と両国との交流を更に深める意味で,以下に示す内容でのタイ・ベトナムの2 ヶ国での岩盤工学に関するジョイントワークショップ(以下第3回東南アジア岩盤工学ワークショップと称す)を開催する予定です.

 同ワークショップ(案)に示しますように,これまでの開催実績において,現地での数値解析・探査技術に関するアプリケーションに対するニーズが高いことから,講演セッション(Oral session)に併せて解析ソフトの実務講習セッション(Demonstration session)も併設する予定です.

 なお,第3 回東南アジア岩盤工学ワークショップの開催に関しては,岩の力学連合会への主催依頼を始めとして多機関と調整中です.詳細な情報につきましては後日お知らせしますが,出来るだけ多くの方にご参加いただきますようお願い申し上げます.

 1.運営組織(案)

 (1)日本側

  主催:岩の力学連合会(JSRM)

 (2)カウンターパート

  1)ベトナム ・ベトナム国家自然科学センターNCST 地球物理部門

   (National Centre for Natural Science and Technology, Institute of Geophysics)

  2)タイ

   ・タイ王立工学会EIT(Engineering Institute in Thailand)

   ・アジア工科大学院AIT 土木工学科

   (Asian Institute of Technology, School of Civil Engineering)

2.日時/場所

 (1)第3 回東南アジア岩盤工学ワークショップ・ベトナム

  平成16 年9 月13 日(月) 講演セッション(Oral session),ハノイ

  平成16 年9 月14 日(火) 実務講習セッション(Demonstration session),ハノイ

  平成16 年9 月16 日(木) フィールドトリップ(ホーチミン) トンネル構造物見学

(2)第3 回東南アジア岩盤工学ワークショップ・タイ

  平成16 年9 月18 日(土) フィールドトリップ(チェンマイ) 岩盤構造物見学

  平成16 年9 月20 日(月) 講演セッション(Oral session),バンコク

  平成16 年9 月21 日(火) 実務講習セッション(Demonstration session),バンコク

3.参加区分

 1)場所

  ・スケジュール区分1:タイのみ

  ・スケジュール区分2:ベトナムのみ

  ・スケジュール区分3:タイ・ベトナム両方

 2)参加方法 ・区分1:講演セッション(Oral session)発表

  ・区分2:実務講習セッション(Demonstration session)発表

  ・区分3:講演セッション(Oral session)&実務講習セッション(Demonstration session)発表

  ・区分4:参加のみ

 

6.その他

・本ニュースレターに対し,トピックスの一般投稿及び研究紹介,岩盤力学に係わる読者からのニュース,読者の声などを募集いたしますので奮ってお寄せください。ご連絡は下記のニュースレター編集担当までお願いいたします。

・前回もご紹介しましたが,本ニュースレター及びHPで土木学会法人会員による紹介(法人会員の企業概要や岩盤工学等の分野で得意とする技術情報等)のため「法人会員のページ」を設けたいと考えています。ご連絡は下記のニュースレター編集担当までお願いいたします。

・現在,企画小委員会では各研究小委員会等の協力を得ながら岩盤力学委員会ホームページ(HP)の充実を図り積極的な各種情報発信に努めています。HP更新に伴い,各委員会の活動状況,終了した研究小委員会の報告書や国内外の会議予定等も掲載しましたのでご覧ください。
リンク:http://www.jsce.or.jp/committee/rm/iinkai_index.html

・ニュースレターのバックナンバーは岩盤力学委員会ホームページをご覧下さい。
リンク:http://www.jsce.or.jp/committee/rm/news.html

【第4号の予定】
・トピックス
 1)「動き出した幌延地圏環境研究所」  幌延地圏環境研究所所長 石島洋二
・書籍・論文の紹介
 1)岩盤不連続面関係の文献紹介
 2)グラウト関係の文献紹介
        など
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ニュースレター編集担当: 高橋 美昭(岩盤力学委員会企画小委員会幹事)
gijutsubu@numo.or.jp
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【編集後記】
 ニュースレター第3号を発行できましたことについて,執筆くださいました名古屋大学環境学研究科附属地震火山・防災研究センターの渡辺俊樹様他,企画小委員会関係者のご協力に心から感謝します。次回以降もさらに情報・話題を充実していきたいと思います。

 なお,前回から,岩の力学連合会のRockNetを利用して配信しています。
 

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