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 土木学会 岩盤力学委員会 ニュースレター [No.9 2006.3.7]        印刷用pdf
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[巻頭言]

科学の進歩

 

企画小委員会委員 青木智幸(大成建設(株)技術センター)

 

  子供の頃、いわゆるラジオ少年だった.電気屋であった家業や友達の影響を受け、真空管でラジオやオーディオアンプを作った.やがてトランジスタが真空管に取って代わり主役になった.トランジスタには、初期にはゲルマニウムという希少金属が使われていたが、シリコン半導体が普及してきてから数年であっという間に席捲された.高々三十数年前の話である.シリコンってなんだろうと調べてみると、それは地球上に酸素に次いで多く存在する元素であり、酸素や他の金属と結びついて岩石の主成分を成していると言う.そこらに転がっている石ころや砂の成分から半導体ができることは、高校生になっても不思議であり、科学の魅力を実感した.

  人それぞれ、現代の科学の進歩を身近に感じていることだろう.岩盤工学の関連科学分野での大進歩としては、地質学におけるプレートテクトニクスによるパラダイム転換が挙げられる.我々の住む日本列島の成因や地震・火山噴火のメカニズムについても、解釈が大きく変わり理解が深まってきた.これも、最近三十年程度の間の話である.

  さて、この時代に岩盤力学はどう進歩してきただろうか.岩盤工学の最近の衰退傾向はここでも何度か指摘されてきたが、建設市場の縮小によりニーズが減少することは今の時代の流れであり、これによる研究者・技術者の減少はやむをえない.しかし、岩盤力学という学問は進歩することができる.この数十年間で目ぼしい進歩が無いなどという揶揄も聞くが、私はそうは思わない.例えば、新材料や新型機械等のハード、数値解析やCG、IT技術等のソフトの進歩に支えられて岩盤力学は確実に進歩してきていると感じる.更なる継続的な発展のためには、この進歩を総括し、その恩恵を次世代に伝えることが不可欠である.

 

1. 岩盤力学委員会研究小委員会テーマ決定! 

 岩盤力学委員会運営委員会で,下記の3つの新規研究小委員会の設置が決まりました. 順次各研究委員会から公募が開催されることとなっております. ご興味のある方、今後の土木学会誌、下記岩盤力学委員会ホームページをご注視ください.

 ・リニアコライダー土木技術研究小委員会 

 ・岩盤斜面のハザード評価研究小委員会

 ・先端技術を利用した岩盤計測の体系化と実際への応用に関する研究小委員会

 


2.トピックス 

 今回も岩盤に関するトピックスとして下記の2件を紹介いたします.

本文をpdfファイルでご覧ください.

1)「次世代天然ガス高圧貯蔵技術開発の概要」 Click!

企画小委員会委員 米山一幸(清水建設(株)技術研究所)

(概要)
  世界のエネルギー情勢が大きく変化する中、埋蔵量が比較的多く環境にもやさしい天然ガスは、我が国における主要なエネルギー源と位置づけられている.天然ガスの今後の利用拡大に向けて、供給導管網と基幹パイプラインを組み合わせた広域的な供給ネットワーク網の整備が望まれており、その効率的な運用のために、季間・週間の需要変動を吸収するための大規模貯蔵施設が今後重要になると考えられる.

 天然ガスの大規模貯蔵施設としては、海外では枯渇ガス田、帯水層、岩塩層などを利用した地下貯蔵施設が既に実用化され、欧米を中心に多数が建設されている.一方、大規模帯水層や岩塩層などの地質構造を有しない我が国においては、これらの施設とは異なるコンセプトに基づく大規模地下貯蔵施設の開発が必要となる.

 以上の背景のもと、(社)日本ガス協会は、経済産業省の補助事業「次世代天然ガス高圧貯蔵技術(ANGAS:Advanced Natural Gas Storage)開発」においてライニング式岩盤貯蔵施設に関する技術開発を進めており、その一環として、現在、岐阜県神岡鉱山に小規模実証試験施設を建設している.本稿では同事業の概要と、実証試験施設建設の現況を報告する.
これ以降,詳細は pdfファイルでご覧ください
 

2)「Hanoi Geoengineering 2005に参加して」  Click!

企画小委員会委員 中村一樹(応用地質(株)東京本社)

(概要)
 2005年11月25日に、ベトナムのハノイで、International Workshop Hanoi Geoengineering 2005(以下、ハノイジオエンジと称す)が開催されました.このシンポジウムのメインテーマは,「Integrated Geoengineering for a Sustainable Infrastructure Development」というサブタイトルがつけられていますように、地盤・岩盤工学に関連した「Sustainable(持続可能な)」なインフラ構造物の発展に関するシンポジウムでありました.

 なお、同シンポジウムは、これまでにHanoi Geoengineering 2003およびHanoi Geoengineering 2004と2回開催されておりますが、今回はこれまでより規模を拡大したものです.今回のシンポジウムの主催は、Vietnam National University(VNU)、Hanoi University of Science (HUS)、京都大学(KU)、Asian Institute of Technology (AIT)、Vietnam Petroleum Institute (VPI), Petro VietnamおよびHanoi University of Mining and Geology (HUMG)の6機関でした .なお、参加者は全体で約200名、日本からは約30名が参加しました.

 岩盤に携わる皆様にとってご興味のある話題かと思いますので、簡単に内容について紹介したいと思います.
これ以降,詳細はpdfファイルでご覧ください
 

 

3.書籍等の紹介

尾原祐三(熊本大学工学部環境システム工学科)


  今回は「岩盤応力−測定と応用−」に関する本や論文を紹介します.岩盤応力は岩盤構造物を設計する際に考慮すべき重要な因子であるとともに,地震を発生させる大きな要因でもあります .このため我国では,地下発電所空洞の設計や安定性評価のために初期応力や2次応力の測定が実施されてきており,さらに,地震予知のために各地で初期応力測定が実施され,日本列島の岩盤応力状態が徐々に明らかにされつつあります .どのような原理を用いて,どのような方法で岩盤応力が測定され,その結果はどのように使われているのかなど1度じっくりと読まれてはいかがでしょうか.

 多くの「岩盤工学」あるいは「岩盤力学」の教科書の1部に岩盤応力やその測定法について書かれています .たとえば,

1) 岩の力学 −基礎から応用まで−,日本材料学会,丸善,平成5年(1993),ISBN 4-621-03906-7 C 3051.

があります.本には初期地圧に関する章があり,わかりやすく簡潔に解説されています. 題名に岩盤応力や初期地圧の言葉が題名に使われている我が国の本としては,

 2) 初期地圧測定法の現状と課題,土木学会,平成4年(1992),ISBN 4-8106-0094-7.

があります .平成3年以降に開発された新しい測定法は載っていませんが,測定法の原理や測定された岩盤応力の応用などがまとめられています.

  国内に比較して,海外ではRock Stressとういう言葉が本の題名に入っているものがちょくちょく出版されています.ちょっと前の本ですが,よくまとまったものとしては,

3) Rock stress and its measurement, B. Amadei and O. Strephansson, Chapman & Hall, 1997, ISBN 0-412-44700-2.

があります .応力の評価法,測定法,それらの比較,応力変化測定法,適用例が490ページにまとめられています.

 最近の岩盤応力の測定法のみならず,岩盤応力測の評価およびその質の向上に関してまとめられた海外論文誌の特別号が出版されています.

4) Special issue on rock stress estimation, International Journal of Rock Mechanics and Mining Science, 40, 955-1276, 2003.

 この特別号を読むことで世界における最近の岩盤応力の話題を知ることができます .また,この特別号はElsevierが発行する雑誌ですので手に入りやすく,とくに大学に所属している教員,研究員,学生はElsevierのホームページからダウンロードすることができます(大学がElsevierと契約しているときのみ可能).

 最後に,岩盤応力に関する国際会議がこれまでに3回開催されています.そのプローシーディングからこれまでの約30年間の岩盤応力に関する研究の歴史を垣間見ることができます .それらをつぎに示します.

5) Proceedings of International Symposium on Rock Stress and Rock Stress Measurements, O. Stephansson, Stockholm, Centek publications, 1986, ISBN 91-86998-17-X.

6) Proceedings of International Symposium on Rock Stress, K. Sugawara and Y. Obara, Kumamoto, 1997, ISBN 90-5410-901-7.

7) Proceedings of Third International Symposium on Rock Stress, K. Sugawara, Y. Obara and A. Sato, Kumamoto, 2003, ISBN 90-5809-639-4.

 

4.会議予定

 

国内の会議

 1)会議名:平成18年度(2006年)資源・素材学会春季大会

   日 時:2006年3月27日(月)〜29日(水)

   場 所: 千葉工業大学

   リンク: http://www.mmij.or.jp/lecture_2006_a/

 

 2)会議名:Geo-Environment Engineering 2006

   日 時:2006年4月3日(月)4日(火)

   場 所:京都大学福井謙一記念研究センター

   リンク: http://www.jiban.or.jp/topic/callforpaper.pdf

 

 3)会議名: 物理探査学会第114回学術講演会

   日 時:2006年5月8日(月)〜10日(水)

   場 所:早稲田大学国際会議場

   リンク: http://www.segj.org/committee/gyouji/conf.html

 

 4)会議名:地下空間開発における調査・計測に関するシンポジウム

   日 時:2006年5月18日(木)19日(金)

   場 所:浜離宮建設プラザ(予定)

   リンク: http://www.jiban.or.jp/info/kaikoku/chikasymp.pdf

 

 5)会議名:日本材料学会第55期学術講演会

   日 時:2006年5月26日(金)〜28日(日)

   場 所:長岡技術科学大学

   リンク: http://www.jsms.jp/kaikoku/55gakuboshy.html

 

 6)会議名:第41回地盤工学研究発表会

   日 時:2006年7月12日(水)〜15日(土)

   場 所:鹿児島市,かごしま県民交流センター

   リンク: http://www.jiban.or.jp/info/kaikoku/41chiken/41chiken.html

 

 7)会議名:粒状地盤材料の力学と工学に関する国際シンポジウム(IS-Yamaguchi06)

   日 時:2006年9月12日(火)〜14日(木)

   場 所:山口大学工学部

   リンク: http://web.cc.yamaguchi-u.ac.jp/`isy06/index.html

 

 8)会議名:第61回土木学会平成18年度年次学術講演会

   日 時:2006年9月20日(水)〜22日(金)

   場 所:立命館大学びわこ・くさつキャンパス

   リンク: http://www.jsce.or.jp/committee/zenkoku/

 

 9)会議名:The 8th SEGJ International Symposium

   日 時:2006年11月26日(日)〜28日(火)

   場 所:京都大学百周年時計台記念館

   リンク: http://www.segj.org/is8/index.html

 

海外の会議

 1)会議名:ITA WTC 2006 Congress(第32回ITA総会およびコングレス)

   日 時:22-27 Apr. 2006

   場 所:Seoul(Korea)

   リンク: http://www.ita2006.com

 

 2)会議名:EUROCK06

   日 時:9-12 May, 2006

   場 所:Universite de Liege, Belgium

   リンク: http://www.eurock06.ulg.ac.be/

 

 3)会議名:Golden Rocks 2006: 41st US Rock Mechanics Symposium

   日 時:17-21 June, 2006

   場 所:Colorado School of Mine, Golden, Colorado, USA

   リンク: http://goldenrocks.org/

 

  4)会議名:5th International Conference of the International Geoscience Education

        Organization

   日 時:22-25 September, 2006

   場 所:Bayreuth, Bavaria, Germany

    リンク:

 

 5)会議名:International Symposium on In-Situ Rock Stress

   日 時:19-25 September, 2006

   場 所:Trondheim, Norway

   リンク: http://www.rockstress.org/

 

 6)会議名:4th ARMS (Asian Rock Mechanics Symposium), the 2006 ISRM-Sponsored

                International Symposium

   日 時:8-10 November, 2006

   場 所:Singapore

   リンク: http://www.arms2006.org/

 

 その他の会議については,岩盤力学委員会ホームページの「会議予定」をご覧下 さい.

 

5.法人会員のページ 

  土木学会法人会員による「岩盤工学等の分野で得意とする技術情報等の紹介」を目的とした「法人会員のページ」です.今回は清水建設株式会社からの紹介です.

 

<清水建設株式会社>

  当社は新しい地下空間を創る岩盤技術の拠点として、1985年に岩石実験棟を江東区越中島の技術研究所内に建設しました .ここで開発・蓄積された技術は、道路・鉄道トンネルや地下空洞とともに、石油備蓄,岩盤内圧縮空気貯蔵,LPG岩盤内貯蔵などのエネルギー貯蔵分野や放射性廃棄物処分など、岩盤空間利用の様々な分野で活用されています.

 さらに昨年8月には、岩盤技術の更なる発展を目指して新岩石実験棟を新設し、実験施設のリニューアルを行いました .新施設では、岩盤空間の多様な用途に対応し、高温度下、低温度下、高圧力下など、さまざまな条件における岩石物性を的確に試験・評価できるよう、これまで以上に機能と性能を向上しています .当社の掲げるライフサイクル・バリュエーション(LCV)の理念のもと、岩盤工学に関わる試験、調査、解析などの技術を今後より一層拡充し、岩盤構造物の調査・設計から保全までの多様なニーズに応えていきます.
 詳しくはこちらをご覧下さい.



【編集後記】
  前号より早4ヶ月が経ちました.前回の編集会議は残暑の残る頃だったのに、もう冬も終わろうとしています .本当に月日の経つのは早いものです.今後は3ヶ月に一度を目標にニューズレターをお送りしたいと思います .今回は会議案内がパワーアップしました.是非今後の論文作成、参加にお役立てください.

 ところで、ニューズレターの中に法人会員のページという欄がありますが、ここでは法人会員であればどちらの会社でも紹介できます .400字以内のテキストを下記のニューズレター編集担当中村まで、メールでお送り頂ければ掲載させていただきます .また、ホームページなどのリンク先、詳しい資料(PDFファイルに限る)がありましたら、それも一緒にお送り頂ければこちらでアレンジして掲載いたします .お気軽にお送りください.(中村一樹)

 

・本ニューズレターに対するご感想・ご意見を募集いたします.下記の編集担当までお気軽に.

・また,トピックスの一般投稿及び研究紹介,岩盤力学に係わる読者からのニュース,読者の声,文献,学位論文の紹介などなど,なんでもお寄せください.

・ニューズレターのバックナンバーはこちらをご覧下さい.

 

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ニューズレター編集担当:中村 一樹(岩盤力学委員会企画小委員会幹事)
nakamura-kazuki@oyonet.oyo.co.jp
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