岩盤斜面研究小委員会(第二期)
岩盤斜面や法面の崩落・落石は様々な要因が複雑に絡み合って発生するため,発生メカニズムを正確に把握するまでには至っておらず,発生の場所・時期・規模などを予測することは,未だに困難な状況である。
本小委員会は,岩盤斜面に関する知見や研究成果を継続的にとりまとめて,社会や会員へ迅速に提供・発信できる体制を整え,将来的には岩盤斜面の安定性評価のガイドラインを提言することを目指して平成25年10月から活動を開始した。当初の研究テーマとして,①膨大な岩盤斜面の中から危険性の高い斜面を抽出する手法の確立,②抽出した斜面の安定性を評価する手法や技術の精度向上について取組み,文献の収集,既往の斜面抽出監視技術の整理,シミュレーション技術の特徴と適用範囲の整理などを行い,一定の成果を得ることができた。
一方,平成24年12月の中央道笹子トンネル天井板落下事故以降,社会インフラの老朽化の問題や既設構造物の点検の重要性が指摘され,様々な取組みが行われてきている。また,異常降雨の増加や首都圏直下地震・東南海地震の懸念から、国民の防災意識も高まっている。斜面災害は一旦発生すると社会に大きな影響を与えることが多いことから,岩盤斜面においても点検及びメンテナンスを確実に行い,災害を未然に防ぎ国民の安全や利便を確保することは今後ますます求められていくものと思われる。
本小委員会では平成28年度からの新たな研究テーマとして,岩盤斜面及び斜面対策工の点検・メンテナンス手法の高度化に取り組む予定である。点検やメンテナンスに関して,現状と課題,最近の施策の動向,新技術の開発状況,新たな知見などの情報を収集し取り纏めを行い,社会や会員への情報提供を引き続き行っていくものである。
活動状況
平成28年度
・第1回委員会: 平成28年11月15日 土木学会会議室
・第2回委員会: 平成29年 1月26日 土木学会会議室
平成29年度
・第3回委員会: 平成29年 4月14日 土木学会会議室
・第4回委員会: 平成29年 7月21日 土木学会会議室
・土木学会全国大会研究討論会:平成29年9月11日 福岡市
討論会資料
01小委員会の概要(PDF:約4.3MB)
02危険斜面の抽出(PDF:約1MB)
03危険斜面の安定性評価(PDF:約0.8MB)
04現状と今後の課題(PDF:約1.1MB)
・第5回委員会:平成29年10月30日
※現地検討会 静岡県清水市
・岩盤力学シンポジウム委員会報告:平成30年1月17日 土木学会会議室
報告会資料
01道路における岩盤斜面の維持管理(PDF:約3.3MB)
02鉄道における岩盤斜面の維持管理(PDF:約3.2MB)
03-1忘れてはいけない岩盤斜面崩壊(PDF:約8.8MB)
03-2忘れてはいけない土砂災害(裁判)(PDF:約1.6MB)
H29年度の議事はこちら
CD版「岩盤崩壊の考え方」を公開しました
岩盤斜面研究小委員会(第一期)の活動成果をご覧ください。
研究成果報告書(岩盤斜面の維持管理)を公開しました
①表紙・はじめに・目次.pdf(200KB)
②第Ⅰ編.pdf(12436KB)
③第Ⅱ編.pdf(8620KB)
④第Ⅲ編.pdf(19830KB)
委員名簿
会務 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|
委員長 | 緒方 健治 | 中日本高速道路(株) |
アドバイザー委員 | 大西 有三 | 関西大学 |
副委員長 | 進士 正人 | 山口大学 |
委員 | 日外 勝仁 | (国研)土木研究所 |
委員 | 新谷 ちか子 | 国際航業(株) |
委員 | 梶 修 | ブイ・エス・エル・ジャパン(株) |
委員 | 川越 健 | (財)鉄道総合技術研究所 |
委員 | 小俣 新重郎 | 日本工営(株) |
委員 | 小山 倫史 | 関西大学 |
委員 | 島内 哲哉 | オフィス im3 |
委員 | 高畠 正治 | 電源開発(株) |
委員 | 田山 聡 | 西日本高速道路(株) |
委員 | 寺田 道直 | ハイテック(株) |
委員 | 中井 卓巳 | (株)アーステック東洋 |
委員 | 中瀬 仁 | 東電設計(株) |
委員 | 西村 毅 | (株)安藤・間 |
委員 | 深田 隆弘 | 西日本旅客鉄道(株) |
委員 | 藤田 哲 | 日特建設(株) |
委員 | 馬 貴臣 | 応用地質(株) |
委員 | 三木 茂 | 基礎地盤コンサルタンツ(株) |
委員 | 山 真典 | (株)ドーコン |
委員 | 山上 順民 | 大成建設(株) |
委員 | 吉田 泰基 | (一財)電力中央研究所 |